聖書のお話 2025.09.14
【聖書個所】ヨナ書1章~2章(1:1~17) 【説 教 題】神に従わなかったヨナ 【中心聖句】神は、すべての人が救われて、真理を知るようになるのを望んでおられます。 (Ⅰテモテ2:4) 【説 教 者】黒田 明 【新 聖 歌】404弟子となし給え 子どもの頃に読んだ童話の1つに、「ピノキオ」という作品があります。その物語の中で、ピノキオが大きな魚に飲み込まれてしまう場面がありましたが、実は、聖書の中にも大きな魚に飲み込まれてしまった人物が登場してきます。ヨナというイスラエルの預言者が、その人なのです。きょうは、このヨナのお話をしましょう。 さっそくですが、今から約2700年も前のことになります。イスラエルの国に、「ヨナ」(日本語では「鳩」)という名の預言者がいました。ある日のことです。このヨナが神に祈っていると、神のことばが彼にありました。2節。すなわち、ヨナはニネベという大きな町への宣教命令を神さまから受け、「立ちなさい」、そして「行きなさい」と言われたのです。そこで3節をご覧いただくと、彼は確かに「立ちました」、そして「行きました」。けれども、その行き先はニネベではありませんでした。彼はニネベを避け、それとは反対方向のタルシシュへと向かったのです。 はたして、彼はどういった理由からニネベ行きを拒んだのでしょうか。そこがイスラエルにとっては強敵アッシリヤの首都であり、ヨナはそれを恐れたのでしょうか。思うに、彼は決してそのような臆病者ではありませんでした。なぜなら、ある嵐の際に海のプロである水夫たちでさえあわてふためいていたというのに、彼は平然と眠っていられるほどの人物だったからです。また、前代未聞の嵐の原因が自分にあることがわかると、彼は「私を捕らえて、海に投げ込みなさい」と言ってはその責任を負い、潔く自分の身を差し出してもいるからです。 では、ヨナはなぜニネベ宣教を拒んだのでしょうか。思うに、それは彼の内側にある自己中心というか、彼の間違った愛国心にあったのではないでしょうか。すなわち、先ほど申し上げたとおり、ニネベという町はイスラエルにとっては強敵アッシリヤの首都でした。ですから、もし神のことばを伝え、その町の人々が救われ、また災いからも守られるということにでもなれば、ヨナにとっては実におもしろくないわけです。要するに、ヨナの愛はイスラエルにだけ向けられ...