聖書のお話 2025.05.11
【聖書箇所】Ⅰコリント6:9 - 11 【説 教 題】神の国を相続する 【中心聖句】しかし、主イエス・キリストの御名と私たちの神の御霊によって、あなたがたは洗われ、聖なる者とされ、義と認められたのです。(Ⅰコリント6:11) 【説 教 者】黒田 明 【応答賛美】新聖歌402暗き谷間をたどるときも コリントの教会には、いくつかの問題があった。パウロが最初に取り上げたのは、 「派閥」もしくは「仲間割れ」という問題 であった。すなわち、コリントの教会には伝道者(パウロ、アポロ、ペテロ、キリスト)を引き合いにだしては4つの派閥をつくり、彼らは互いに中傷、悪口など言っては仲間割れをしていたのである。そこで、これを案じたパウロは、この教会の生みの親として、その原因となっている彼らの高慢さにふれ、かつ彼らの高ぶりの心を戒めることによって、この手紙の第一部を終えたのである。 さて、彼が次に取り上げたのはコリントの教会における 「不品行」の問題 であった。すなわち、コリントの教会にはクリスチャンでありながらも、不品行の罪を犯し続けている人々がいたのである。さらには、その問題に対して何の対応もしないでただ黙認し続けてしまう体質が、どうやらコリントの教会にはあったようで、パウロはそこにも問題を感じ、「もし、その人に悔い改めの心がなく、あくまでも罪を犯し続けるというのであれば、彼を教会戒規にかけて除名しなさい」と、きびしくもそのような命令を教会にくだしたのである。 そして、パウロが次に問題にしたのは 「信者間の訴訟」 ということであった。すなわち、コリントの教会にはクリスチャン同士でありながらも、ささいなことで争い合ってしまう人々がいたのである。さらには、そういった彼らの不満や彼らの訴えというものを、直接、教会の中で処理しようとしないで、わざわざ神を信じていないこの世の人々のところへと持っていき、誰が正しくて、誰が間違っているかを、彼らに判断してもらおうとしたのである。そのため、パウロはここで2つの助言を彼らにした。1つは「本当の勝利」ということ。すなわち、本当の勝利というのは相手を攻撃するところにはなく、むしろ対立する相手と同じレベルに立つことをやめて、「怒らず」「人のした悪を思わない」愛の心、赦しの心をもつならば、それこそが本当の勝利の道だとパウロは言っ...