聖書のお話 2025.11.16
【聖書箇所】使徒の働き19:1~20 【説 教 題】第3回伝道旅行(いろいろな人との出会い) 【中心聖句】こうして、主のことばは驚くほど広まり、ますます力強くなって行った。 (使徒19:20) 【説 教 者】黒田 明 【新 聖 歌】420 第2回伝道旅行を終えてアンティオキアに帰って来たパウロは、しばらくすると第3回伝道旅行に出発しました。この第3回伝道旅行の目的は、すでにクリスチャンとなった者たちの信仰を確立することであり、その点では第2回伝道旅行と同じでした。ただし、前回の旅行では、途中、聖霊が伝道地の予定を変更したものですから、マケドニア地方、すなわちヨーロッパ伝道が主として行われました。そこで今回はというと、再び小アジアに思いを傾け、特にエペソを中心とする伝道へと導かれていきました。 なお、今回の伝道の中心地となった当時のエペソについてお話をすると…。たとえば、ローマが政治の中心地、アテネが文化の中心地、コリントが商業経済の中心地であったとすると、当時のエペソは偶像の宮アルテミスの神殿を中心とする異教の中心地であったと言うことができます。ちなみに、今日、アルテミスの神殿は世界七不思議の1つに数えられているそうですが、その長さは127.5m、幅は66m、高さは18mもあった大きな建物だったようです。そのため、エペソの町の人々は、アルテミスの神殿を町の誇りとしていました。そしてエペソはこのようにして神殿が中心となって商業が栄えたのです。また、多くの人々が四方から集まって来たものですから遊び場としても栄えました。しかし同時に、エペソは人殺しや詐欺といった犯罪が多発していた町でもあったようです。 ところで、使徒20:31をご覧いただくと、パウロは3年という長きにわたって、このエペソを中心とする小アジアの伝道に取り組んだのですが…。はたして、パウロにとってここでの伝道の最大の戦いは何だったでしょうか。思うに、それは偶像礼拝との戦いであり、かつ背後でこれをあやつる悪霊との戦いでもあったのではないでしょうか。というのも、エペソの教会にあてて書かれたパウロの手紙にこうあるからです。エペソ6:10-18。 6:10 終わりに言います。主にあって、その大能の力によっ...