【聖書箇所】ルカの福音書22:31~34 【説 教 題】ペテロ否認の予告 【中心聖句】しかし、わたしはあなたのために、あなたの信仰がなくならないように祈りました。ですから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。 (ルカの福音書22:32) 【説 教 者】黒田 明 【新 聖 歌】394成し給え汝が旨 誰でも、多かれ少なかれ、何らかの失敗をしているものですが、そんなとき私たちはどんな気持ちになるでしょうか。ある人は、とても惨めな気持ちになるかもしれません。ある人は、自暴自棄になって、すべてを投げ出したい気持ちにさえなるかもしれません。 実は、聖書の中に登場してくるイエスさまの弟子たちを調べてみると、彼らの失敗の記事がところどころにでてきます。どうやら、彼らも私たちと同じで、多かれ少なかれ何らかの失敗をしていたようです。中でも、イスカリオテのユダの裏切り行為はその最たるものでした。何と言っても、銀貨 30 枚でイエスさまを裏切ったわけですから…。しかしそんなユダに対してさえ、悔い改めと信仰を回復させるチャンスがあったことを、私たちはイエスさまのおことばや態度の中から知ることができます。でも、イエスさまから心離れてしまったユダには、残念ながらそんなイエスさまの愛が届きませんでした。そのため、彼は自暴自棄になって、自分の人生に終止符を打つという悲しい結末を迎えることになってしまったのです。 では、今回取り上げようとしているペテロの場合はどうだったのでしょうか。ご承知のとおり、彼は自信過剰で、何回も何回も失敗を繰り返してきたことを私たちは知っています。しかし、ユダとの決定的な違いは何かといえば、ペテロの場合、彼からはイエスさまへの信仰が失われていなかったということが言えると思うのです。もしかすると、そのときの彼の信仰はからし種ほどの小さなものだったかもしれません。けれども、たとえ小さかろうが、生きて働く信仰が彼の内にあったことを私たちは知るのです。 そこで、今回はペテロの失敗と、そんな彼に注がれていたイエスさまの愛に目を留めていきたいのですが、まずは31節と32節をご覧ください。この場面は、最後の晩餐での出来事であり、イエスさまはここで次の3つのことをペテロに予告なさいました。まず1つめですが、それは「サタンのふるいにかけられる」...