聖書のお話 2026.10.04
【聖書箇所】創世記12:1~20 【説 教 題】信仰の開拓 【中心聖句】アブラムは、【主】が告げられたとおりに出て行った。(創世12:4 a ) 【説 教 者】黒田 明 【新 聖 歌】291 神の国と神の義 今回は、ユダヤ教をはじめとして、キリスト教やイスラム教の世界においても重要な人物のひとりとして数えられているアブラム、後のアブラハムの生涯から、「信仰」ということをテーマにお話をしたいと考えています。 なお、今回特に取り上げたいのは、アブラムがイスラエル民族の基礎を築いた最初の部分、つまり「信仰の開拓期」になります。はたして、その開拓期において、私たちは彼からどんな点で見習うべきところがあり、またどんな点で教訓とすべきところがあるのかを探っていきたいのです。 そこで、まずは「見習うべき点」ですが、それは「神さまからの語りかけがあったとき、彼は信仰をもってその第1歩を踏み出した」ということです。ご承知のとおり、彼の故郷と言えば、それはメソポタミヤの古代都市ウルでした。調べによると、当時、この町はとても栄えていたようです。有名なピラミッド型の寺院ジッグラトがあり、月神礼拝が盛んに行なわれていたのも、この町でした。 さて、聖書のお話になりますが、彼の生まれ故郷ウルを離れ、ハランにしばらく住んでいたある日の出来事になります。アブラムはそこで神さまからの語りかけを耳にしたのです。しかも、その語りかけは彼にとって非常に重大、かつ大変な神さまからのご命令でもありました。というのも、12:1をご覧ください。神さまは彼に「 あなたは、あなたの土地、あなたの親族、あなたの父の家を離れて、わたしが示す地へ行きなさい 」…、すなわち「新たな旅立ちをせよ」と仰せになられたからです。 確かに、神さまからのこのご命令には約束が伴っていました。どんな約束でしょうか。基本的に2つあります。1つは「土地の取得」に関する約束であり、もう1つは「子孫の繁栄」に関する約束です。けれども、それはそれとして、アブラムの側にはアブラムの側の、いろいろな都合というものがあったに違いないのです。慣れ親しんだ町並みや人々のことであるとか、ことばや文化のこと、あるいは天候や自然環境…、そういった離れがたいいくつかのことが彼の中にはあったのではないでしょうか。 そして、ときにそれが決断をにぶらせ、...